3.混合ガス潜水研究

 高気圧作業安全衛生規則が改正になり、窒素分圧は400キロパスカル 以下でなければ潜水作業ができなくなった。400キロパスカルは、空気を呼吸して水深40mに潜水する状態に相当するから、空気を呼吸しては40mより深くでは潜水業務はできなくなった。すなわち、40m以上では、混合ガス(トライミクス)を使用することになるが、ハイテクのリブリーザーは作業潜水では使いにくい。同時に、自己責任を原則とするテクニカルダイビングは、業務では使えない。従来の送気式システム潜水は、お金がかかり、一般の作業では使用できない。

目指す潜水システムのコンセプトは、

①改正された規則に合致して、送気式の全面マスク式で水深40m以上に潜れる。

②混合ガスの消費量が少ない。(混合ガスのヘリウムは高価であり、垂れ流しではコスト的に合わない)

③できるだけシンプルで荒い取り扱いに耐える。

④安全性が高い

 須賀は、80歳になり、80mを潜ろうと計画している。27歳の時の100m空気潜水、(90mでターンした)では、現在、作業潜水の主力になっているデマンドバルブ付きのフルフェイスマスクを新しく開発して潜った。まだ、1963年には、これが初めてだった。

 60歳の時の100m潜水は、ヘリウム酸素混合気体を使って、送気式のシステム潜水で、90mまでを往復し、90mから100mまでをスクーバで、つまりテクニカルダイビングで行くというハイブリッド潜水だった。

80歳の80mは、新しい方式、仮にサブ・カードルシステムで行う。

サブとはサブマーシブル(潜降)カードルとは、タンクを束ねたガスバンク枠のことを言う。

カードルシステム

上は、1964年、館山沖での100mチャレンジ潜水の後、次のチャレンジに使う潜水器を考えた絵である。

図では、小型ガスバンク(カードル)を潜水する水深に沈めて着座させているが、今度のサブ・カードルシステムでは、中性浮力で、潜降浮上、中間静止もできる。

 サブ・カードルシステムの試作が完成したならば、2015シンポジウムで公表し、実験潜水についての発表も行う。

更新日:2015年4月25日|水中映像研究会

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