高気圧作業安全衛生規則研究会発足予告
日本水中科学協会
みなさまご存知のように、高気圧作業安全衛生規則はインストラクター、ガイドダイバーにも適用されます。また、研究者、学生のダイビングも水中調査潜水として、作業潜水に含まれ、業務と認定されれば、潜水業務になります。学生のアルバイトなど、微妙な境界部分も存在しますが、とにかく、潜水士の資格は取っておこうということで、合格率の高い国家試験です。
そのような状況下で、須賀が準備講習の講師を務めていたころ、10年ほど前まで、20年近く講師をしていました。50人程度の受講生に送気式潜水の作業潜水を志す人、と質問すると、1-2名しかおらず、受講生の90%は、上記のような事情のクーバダイバーでした。
そして、めでたく合格された方は、その時点で、高気圧作業安全衛生規則のことは忘れ、生涯更新なしの資格保持者になります。
つまり、もっていないと処罰の対象になると思って持っている。と、言うことになります。一方で、本当にこの資格を必要とする人でも、資格が有名無実のものだと考えて、取得しないで居ることもあります。
いずれにせよ、この資格は、実際の潜水の安全管理にも危機管理にも役立っていないということになります。また、調べると規則もテキストもスクーバダイビングの実情に適合せず、守りえない条項もあります。
これは、スクーバダイビングの側、つまり僕たちですが、法令遵守の気持ちもなく、安全管理、危機管理にこの規則が役立つようにと意見具申、提案する組織がなかったということです。
送気式潜水の作業潜水は、日本潜水協会という組織があり、2014年の法令改正にも、参画し、意見具申しています。
日本水中科学協会は、ダイビング運用の研究、研究者、学生のダイビング活動の支援を活動目的の首位においています。高気圧作業安全衛生規則の運用研究を開始します。
方法としては、ワークショップで研究、シンポジウムで発表、報告書、ジャーナルとして公表、公表を通じての、関係筋への意見具申、提案となります。その過程のなかで、実現についてのあらゆる努力を払って行けば、まずは、研究者、学生のダイビング活動の安全管理、危機管理にこの規則が役立つとともに、レジャーダイバーの安全にも寄与することができると考えます。
高気圧作業安全衛生規則研究会の発足を予告します。
ワークショップは、10月、もしくは11月を予定し、後に発表します。
更新日:2018年8月21日|水中映像研究会